夢をみる

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スクールでのレッスンは大変なことも多いけれど、結果的に楽しいと感じることの方が断然多い。 達成感や爽快感というのも、私は家庭や学校でではなくダンススクールで覚えた。メイクやヘアアレンジなども同じように、家庭や学校でではなくダンススクールの先輩や仲間とあれこれ実践する中で覚えた。 中学卒業まではチームで大会に参加していた。チームの皆でお揃いのコーンロウにしたり、衣装に合わせてネイルをして、そのまま学校に行くので先生には怒られたり、同級生や先輩がいろいろ言うこともあったけれど、週末の大会前に仕上げているので‘すみません’‘ごめんなさい’で済ませていた。我ながら、口では謝っても堂々としていたと思う。 そのうち‘大会前なんだね、頑張って’と言ってくれる人が何人か出来た。大会が終わると‘大会の公式配信で見たよ、カッコ良かった’と言ってくれる人が何人か出来た。 もちろん悪口も言われ続けたけれど、校則というものがある限り仕方ない。日本の義務教育の場は、目立つ者は叩くという現場なのだから。 高校生になると、ペア部門にもチャレンジしたあと、今はソロでのエントリーだ。 大会前の緊張感と高揚感は、心地良く感じる日と食事がつらくなるほどのプレッシャーに感じる日を交互に運んでくる。それはずっと変わらない。それでも今年も自信を持って準備をしている。 夢みる優勝が現実になるという自信は、ある日突然持てるものではないから日々努力だ。
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