夢をみる

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すぐに男も達したようでホッとする。終わった…長く、永遠に感じられる愛撫が3時間ずっと続くのかと思ったけれど、これで役目は終えた。 私は男から離れようとゆっくり体を動かすと 「このままだ」 男の両腕がガシッと私を抱きしめる。沈黙が部屋に広がったとき、ピピッ…ピピッ…3時間を知らせる高い電子音が鳴った。私がそれを止めると 「このまま帰せない。シャワーは必要だろ?」 汗ばむ私の髪に長い指を差し込んで男が言う。言っていることは親切なようだが、声は冷たく内容は時間オーバーの約束違反だ。 シャワーはしたいけど、迎えも来てるからもう出ないといけない。私が首を横に振って起き上がると 「1時間延長だ。ゆっくりシャワーして来い」 と、男がスマホを手にしたのを見て驚いた。私がシャワーする時間に5万円を払うつもり?そして 「俺。1時間」 それだけ言って通話を終えた男は、ぅわっ…私を抱き上げた。喋らないようにしているけれど、声が出たのは仕方ないよね。
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