9903人が本棚に入れています
本棚に追加
/222ページ
その後しばらくして、夏さんから私に電話があった。披露宴で流すショートムービーを夏さんのいとこが撮っているので、今度のレッスン時に撮影をしていいか?という内容だった。
もちろんオーケーすると
“お願いがあるんですけど…”
と夏さんが言う。撮影がお願いじゃないの?
“私がうまく出来る動きを中心に、私がうまくダンス出来るレッスン内容にして欲しいんです”
「……なるほど…苦手そうなのは避けましょうか…でもレッスン風景を数分切り取った編集をされるでしょ?」
“それはそうですけど、上手に映っていればそこを長めにしてもいいから”
披露宴の準備って、いろんな意味で大変そうだね。
そしてそのレッスン日、いとこの女性を伴って張り切って登場した夏さんは、張り切り過ぎて…レッスン途中でバテた。
「いつもはこんなことないのよぉっ」
私から見ればバテたことより、夏さんは最初から力が入っていたので先週のダンスの方が上手だったことが気になったけれど、撮れ方によるかな。夏さんはこんなのもやってるよ、と紹介のうちのひとつとして1分くらい流れてもわからないよね。
しかし、夏さんのダンスシーンは披露宴当日、笑いをかっさらうのだった。
最初のコメントを投稿しよう!