おまけのHappy Wedding Taku&Natsu

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羅依と二人でホテルに着くと、兄と待ち合わせのラウンジへ向かう。今日はタクが主役で、緒方先生はご親族。 羅依はタクの会社関係者で友人、兄も友人、私もタクの友人枠で招待してもらっている。 「お兄ちゃん」 私と羅依の珈琲が来るまでに兄の姿が見えたので、小さく呼んで手を振ると、何のリアクションもしないままに兄が私達のテーブルまで来て私の隣に座った。 「お兄ちゃんもシルバータイ?似合ってる」 「男は選択肢がない。ピアス、揃いで作った?」 「うん」 「いいですね。それが似合う羅依がすごいと思う」 ずいぶん言葉が砕けた兄に羅依も満足そうに頷いている。3人で珈琲を飲んだあとチャペルに移動しようとすると 「一樹、スマホ。才花と並んで」 羅依が長い腕を兄に伸ばした。 「小松さんに送っておいてくれ」 「私にも送って、お兄ちゃん」 私は父の連絡先を知らない。羅依の気配りに感謝して兄と腕を組むと、兄がフッと表情を緩めたのが分かった。 「羅依にはかなわないです」 「お兄ちゃん、羅依には敵おうとしないのがいいんだよ」
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