Kingの寵愛

おまけのHappy Wedding Taku＆Natsu

そこから長身の二人に挟まれてチャペルへ入ると、タク側の参列者は全員が羅依を知っているようで、次々と小さく挨拶が飛んで来る。

私と兄は緒方先生に挨拶に行き、私は初対面のお母さんを紹介していただいてお祝いを伝えてから羅依の隣に戻った。

「自分の結婚式より緊張する」

私がそう呟いた時、タクが黒タキシードに白いボウタイで入って来た。私はきゅっと口を閉じて、やっぱり緊張するな…と思ったけれど、タクが参列者に向かって一礼したあとニカッと笑ったので、フッと力が抜けた。

それから入場する夏さんはニコニコで、ヒールを履いた夏さんと同じくらいの身長のお父さんもニコニコ。緒方先生とお母さんを見てもニコニコでこちらも笑顔になる。

ティアラのみでベールなしの夏さんのウェディングドレスの後ろ姿もよく見える。

とてもシンプルなビスチェタイプのAラインドレスに、後ろの編み上げの下、腰にとても大きなリボンが特徴で夏さんにお似合いだ。ティアラも大きいのはバランスなのか、夏さんの好みなのか、彼女のビッグスマイルにとても似合っている。

式の進む間、結婚式って花嫁さんが注目を浴びるんだな、と今日初めて知った…知らないうちに終わってよかったかもしれない。