夢をみる

3/11
9907人が本棚に入れています
本棚に追加
/222ページ
男は私を、この部屋にあるシャワールームにゆっくりと下ろすと 「使い方、分かるか?」 と頬を撫でながら聞く。来てすぐにシャワーしたのに…男は何を聞いてるのだろう?不思議に思って全裸の男を見上げると 「ハンドシャワー使ったのか?」 とシャワーヘッドを指差すので頷く。 「このボタン、オーバーヘッドシャワーを押せば、ここからシャワーが出る。こっちの打たせ湯ボタンを押せば、ここから湯が落下する。ベンチに座ってソフトなシルクミスト、パワーマッサージ、空気を含んだ大粒のアクアスプレー、3種の吐水はここで選べ」 自分の知るよりもワンランクもツーランクも上のシャワールームに驚く私の頭をくしゃっと撫で 「40分」 と言いながら、唇を耳に押しつけたあと男はドアを閉めた。デジタル時計の数字を確認してからシャンプーを始める。全く…どうなっているのだろう。先に受け取った15万円は確かだけれど、あとの5万円はこれじゃわからないな。 でもいいか…この時間、男の相手をさせられるわけでもないようだし、私が今すぐ欲しい金額は得ることが出来たのだから。体を少しも痛めることなく終わったこともラッキーだと思わないとね。 私は今夜手にしたお金を手持ちのお金と合わせ、2ヶ月後にイギリスへ行く。
/222ページ

最初のコメントを投稿しよう!