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男は私を、この部屋にあるシャワールームにゆっくりと下ろすと
「使い方、分かるか?」
と頬を撫でながら聞く。来てすぐにシャワーしたのに…男は何を聞いてるのだろう?不思議に思って全裸の男を見上げると
「ハンドシャワー使ったのか?」
とシャワーヘッドを指差すので頷く。
「このボタン、オーバーヘッドシャワーを押せば、ここからシャワーが出る。こっちの打たせ湯ボタンを押せば、ここから湯が落下する。ベンチに座ってソフトなシルクミスト、パワーマッサージ、空気を含んだ大粒のアクアスプレー、3種の吐水はここで選べ」
自分の知るよりもワンランクもツーランクも上のシャワールームに驚く私の頭をくしゃっと撫で
「40分」
と言いながら、唇を耳に押しつけたあと男はドアを閉めた。デジタル時計の数字を確認してからシャンプーを始める。全く…どうなっているのだろう。先に受け取った15万円は確かだけれど、あとの5万円はこれじゃわからないな。
でもいいか…この時間、男の相手をさせられるわけでもないようだし、私が今すぐ欲しい金額は得ることが出来たのだから。体を少しも痛めることなく終わったこともラッキーだと思わないとね。
私は今夜手にしたお金を手持ちのお金と合わせ、2ヶ月後にイギリスへ行く。
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