夢をみる

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男の引き締まった身体にはスーツも似合うだろう。動きを見ていると、姿勢と体幹がいいと感じるからきっと何らかのトレーニングをしているはず。 視線を交わしながらも男の体のことが思い浮かぶのは、私自身が自分の体のバランスがとても気になるからであって、男の体に特別な興味がある訳ではない。スクールでも男女関係なく、美しい筋肉は日々見ているからね。 「はい…失礼な確認をして申し訳ありません」 「ここにいるということは金がいるんだろ?でも、わからない金を掴むのは嫌」 「はい」 「はっきりしていて俺好みだ」 「…そうですか…生理的に無理な人が来なくて良かったですね」 もうこれ以上話する必要はない。 「迎えが来ますので失礼します。ありがとうございました」 立ち上がって、ステージのように深くお辞儀をすると、上体を起こした時には男に優しく抱きしめられていた。 男は私の頭をそっと抱えて抱き寄せ、まだ湿っている髪を小さく撫で…何か言うのかと待ったけれど何も言わない。 「ぁの…」 「ん、送る」 送る?今抱きしめながら半分寝ていたの?寝ぼけてる?
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