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第4話 鳥籠の在り処(5)
「ルイフォンは、まだいるか!」
勢いよく店に飛び込んできたトンツァイに、ワイングラスを磨いていたスーリンは、思わず手を滑らせそうになった。耳を打った大声に非難を込めて、彼女は頬を膨らませる。
「どうしたんですか?」
「今、新しい情報が入った! 至急、ルイフォンに伝えたい」
スーリンの表情が、さっと切り替わる。「すぐ呼んできます」と言い放ち、次の瞬間には彼女は走り出していた。
残されたトンツァイは、手近にあった椅子に勝手に座り、小刻みに膝を揺らす。
「ルイフォンのやつ、携帯端末の電源を切りやがって……」
ぶつぶつと口の中で文句をいう。
彼の手には、すぐに伝えるべき情報があった。
すなわち――。
――藤咲メイシアの異母弟、藤咲ハオリュウが解放され、藤咲の屋敷に戻された……。
~ 第二章 了 ~
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