列車の旅・奇談 ~ぐるぐる~

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 ヒサシが、ふと窓を見ると、窓の向こうに、列車が走る丘が見えた。  彼は、いったん(はし)を置き‥‥いいな‥‥窓から見える列車の走り‥‥と、ウットリした。  ん? さっき見えた光景と違う‥‥。それに‥‥と彼は、振り返った。  そこには、ラーメン店らしい風流な暖簾(のれん)がある。  そう。自分たちが入ってきたのは、その暖簾の向こうからだったからだ。  ヒサシは、急に食欲が落ちた。  すると彼女は、スープをゴクンと飲み、 『ここでは、理屈はどうだっていいのよ。それよりラーメン食べないの? スープ最高よ』 「ごめん‥‥。急に食欲が‥‥」 『アンタ真面目なんだ‥‥。ここじゃ無理かも‥‥』  天井に目をやった。
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