列車の旅・奇談 ~ぐるぐる~

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 ヒサシが無理に食べようとすると、 『仕方ないから、残りは私が助けて上げるわ』  ヒサシが‥‥えっ、それは‥‥? と()こうとした瞬間、彼の頭に、ラーメンを完食する男の姿が浮かんだ。  見ると、丼の中のラーメンは消えていた。  彼が思わず自分の腹に手をやると、 『大丈夫。アンタのお腹じゃないから。はい終わり。次は裏よ』  彼が苦笑していると、彼女はさっさと立ち、ヒサシの手を引いた。  ヒサシがラーメン代を払おうとしたが、老女店主の姿は無く、奥はシーンとしていた。
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