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*1* プロローグ
現代風にカテゴライズしたら、『女性優位』とかいうタグがついたりするのかな、このシチュエーション。
「んんっ……あっ……」
冷え冷えとした月夜。
ランプの火を消してすっかりたつけれども、天幕の片隅には、まったく冷めやらない熱がともっている。
「もっと、強くして、リオ……んっ、んぅ、あっ、そこ、気持ちいい、きもちい……あっ、あっ……」
わたしは、わたしの名前を呼んで身悶える黒髪の美男子を、呆然と見つめるしかない。
ぐちゅぐちゅと、ふつうに生活していたならおよそ聞かないだろう粘着質な水音が、たえまなくひびいている。
わたしが横になるはずだったベッドに腰かけ、無防備に脚をひらいた彼の股座から、その水音は聞こえる。
信じられないけど、ほんとうに意味不明なんだけど、あどけなさの残るきれいな顔に見合わないほど主張した『彼の彼』を、右手で扱きあげているところだ。
いや、扱きあげさせられているってのが正しいか。
「んッ……だめ、リオ、でちゃう、また、でちゃ……うぁっ、リオ、リオッ…………あぁッ!」
そうこうしているうちに、わたしの名前を叫んだ彼が、ガクガクと腰をふるわせた次の瞬間、絶頂した。
どぷん……
ぎゅっとにぎり込んだ雄の象徴が、おびただしい熱飛沫を叩きつけてくる。
わたしの右の手のひらにおさまりきれなかった白濁液が、トロォ……と、まとわりつくように手首をつたう。
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