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②心肺停止/2022/令和4年3月
母が急変した夜、連絡を受けた私はスマホを持ち、母と同県に住む私の甥と私の姉から分刻みで状況を教えてもらった
遠くにいる私にはスマホを見続ける事しか出来なかった
何も出来ない、傍に行って声を掛けてあげられない
スマホだけが私と母を繋ぐ糸だった
夜中、母は生死を彷徨った
朝方、医師からの説明を受けた私の姉からのメールでは、AEDをし、なんとか心臓は動き出したが、蘇生中に頭に酸素が循環しない時間が長く、低酸素脳症になり意識不明になった
医者曰く、なぜ心肺停止したのか分からない
医者が分からないならば、私にはもっと分からない
峠を超えた母に、手術室の前で待つ私の姉や孫達は緊張の糸が解け、力が抜けた
私の脳内は走り回っていた
急すぎて何が起きているのか分からない
入院?
この間話したよ、お母さんと
3日前に、違うか、4日前かな?分からなくなった
なんで?心肺停止?
不整脈あったの?お母さん、そんな事言ってなかった
姉は知ってたのかな?
お母さん、言わなかった
頭の中で、ぐるぐる、もうパニックだ
ええと、あれからどうしたっけ?
あ、そうだ!
お金をかき集めて飛行機のチケットを取って故郷に向かったんだ
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