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「嘘をついちゃダメって、パパは教えてもらわなかったの?」
腰に手を置いてじろりと睨んでくる穂乃果が、あまりにも亡くなった妻にそっくりで涙が出た。
元気な母の姿を見たこともないはずなのに不思議だ。
「許してあげるから泣かないで」
そんな僕にびっくりした穂乃果は小さな腕で僕を抱きしめた。
優しく成長してくれているのがとてもうれしかった。
穂乃果はカエルのたまごを欲しがったが、自然は自然のままがいいと僕が言ったら分かってくれた。
また来年も見に来ようと約束した僕らは、七日間の田舎暮らしを楽しんだ後、我が家に向かって出発した。
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