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僕には妻がいない。
娘の穂乃果が生まれた時に、僕を置いて逝ってしまった。
母がいないことで穂乃果が寂しい思いをしないように、仕事をセーブして仲良く暮らしている。
男手一つで育てたためか、かなりわんぱくに育っている穂乃果も来年には小学生になる。
妻との思い出に浸る時間もないほど忙しい六年間だったが、穂乃果とのいい思い出がたくさんできた。
今は夏、盆休みを利用して妻の実家に来ている。
年に一度しか穂乃果と会えない義祖父母には、申し訳ないことをしていると思っている。
とはいえ、オンラインではしょっちゅう顔を合わせているので仲良くはしている。
便利な世の中になったものだと僕は思った。
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