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結城と中瀬は本業の便利屋に戻り仕事をした。
それから一週間が経った夕方のある日
ドアに便利屋純一郎と書かれた軽トラックの運転席に座って運転している結城は館山市内を走っていた。
結城は助手席に座っている中瀬に
『今日は疲れたな。しかも夕方だし。さっさと帰って敬子手作りの夕飯を食べてから居酒屋大将に行かないと。』
中瀬はペットボトルのスポーツドリンクを飲みながら
『まぁ、夕方になったのはしょうがないよ。敬子さん手作りの夕飯食べて居酒屋大将に行かないとね。』
結城はペットボトルのスポーツドリンクを一口飲み
『夕方は館山市内は混んでるだろうし、裏道行こうか。』
中瀬は結城の提案に
『三芳村から和田町に出る道?確かにこの時間は観光客や仕事終わりで帰宅する人達で館山市内は混んでるだろうね。』
結城は中瀬に
『そう、館山市内よりは道路は空いてるだろ。』
結城は山方面の裏道に向かい
『この道からいけばまだ渋滞はマシだろ。』
三芳村方面に入り事務所がある鴨川市に向かった。
中瀬は回りの風景を見ながら結城に
『この辺りはまだ民家や店があるけど、だんだんと風景が寂しくなっていくよね。』
軽トラックを運転している結城は中瀬に
『有名な名前のコンビニがないよな。個人経営なのか知らない名前のコンビニがあるぐらいだもんね。』
中瀬は結城の言葉に笑って
『なんとかストアーって名前があるぐらいだもんね。』
暫く走ると民家がほとんどなくなり、田んぼや畑が多くなってきた。
中瀬は周りの風景を見ながら
『だんだんと風景が寂しくなってきたね。』
結城は軽トラックを運転しながら
『周りが山ばかりだから暗くなるのも早いしな。』
中瀬はまた周りを見ながら
『この辺り、民家が何軒かあるけど車がないと生きていけない場所だよね。』
結城は笑って
『夜中に一人で運転したくないし、一人で歩きたくないよな。』
中瀬は結城の言葉に
『怖すぎるよ。多分、この通りは真夜中は誰も歩いてないし、人も歩いてないと思うよ。』
結城はペットボトルのスポーツドリンクを一口飲み
『渋滞している館山市内を正規のルートで帰るか、渋滞を回避して裏道から和田町に出て太海町に帰るか。の選択だよ。』
中瀬もペットボトルのスポーツドリンクを一口飲み
『どっちが良いんだろうね?』
結城は軽トラックのスピードを上げて
『さっさと和田町に入りたいからスピード出すよ。』
周りを眺めていた中瀬は慌てて結城に
『えっ?えっ?う、嘘………?結城君!!待った!!ストップ!!』
『えっ?え?何?ストップって?』
結城はいきなりの中瀬の言葉に慌ててブレーキを踏み
キキキィィィ~~~………
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