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その日の夜、居酒屋大将
結城と敬子と中瀬と華蓮で居酒屋大将に来ていた。その少しあとに小百合と佳奈枝が居酒屋大将に到着し合流した。
野間口は結城達が座っている座敷のボックス席の前で生ビール大ジョッキを飲みながら
『ふ~ん、下田の話しを聞きに行ってきたんだ?俺も鴨川市の食の会で前に講演を聞きに行った事あるけど………奴の話しにはスケールがでか過ぎるんだよな。』
結城は日本酒を飲みながら
『今回もスケールのでっかい話しだったぞ。だけど、そこまで鴨川市を好きなんだろうな。』
結城が座っている対面に座っている中瀬はサワーを飲みながら
『うん、凄く大きな事言ってたよね。リゾートマンションを増やすとか電車の本数を増やすとか、鶴田病院を大きくしてドクターやナースを増やすとか。だけど、鴨川市は財政がないから安いお金で市民の土地を買い上げてるんでしょ?』
結城は中瀬の言葉のあとに
『まぁ、その辺りは冷酷だよな。敵は多いはずだ。奴はホテルや旅館を増やすとか安房鴨川駅前を活発にするとか。観光客を増やすとか鴨川市の人口を増やすとかって言ってたな。』
中瀬は結城の言葉のあとに
『若い世代を残す環境作りとかって言ってたよね。鴨川市が駄目になったら鴨川市周辺も駄目になるって。』
野間口は笑って
『そこまでくれば理想や自己満足の世界だな。』
居酒屋大将の若女将の美和子も生ビール大ジョッキを持ってきて一口飲み
『私はずっと鴨川市に住んでるけど、小湊町の山の中腹に建てた海が見える高齢者マンション、あのマンションには驚きだったよ。まさかあんな場所によく建てたなってさ。』
小百合はサワーを飲みながら
『私もあの高齢者マンションには驚いたよ。建てた場所にも驚いたけど一番高い部屋で一億円越えてる事に驚いたよ。一般庶民には買えないよ~。』
佳奈枝はワインを飲みながら
『確かあのマンションは鶴田病院の系列なんでしょ。24時間鶴田病院のドクターもナースも常駐らしいよ。』
結城は日本酒を飲み干し
『日本酒おかわり。』
美和子は飲んでいた生ビールの大ジョッキをテーブルの上に起き
『ちょっと待ってて。』
美和子は厨房に入り日本酒を持ってきて結城の前に置き
『下田さんの話しが仮に現実になれば鴨川市は都会になるかもよ。』
結城は美和子が持ってきた日本酒を一口飲み
『日本酒ありがとう。小湊町にある高齢者マンション、あそこに入る高齢者は名の知れた会社の社長や幹部だった人達だろうし、少しずつは潤うんじゃないかって。』
佳奈枝は笑って
『外房の高速道路は私達が婆様爺様になる頃に着工かもね。』
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