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便利屋純一郎事務所前
結城と中瀬は現場に行く準備をしていた。
結城はその日に使う材料と道具を軽トラックの荷台に積みながら
『よし、これで足りるだろ。』
中瀬はコーキングを数本軽トラックの荷台に積み
『コーキングもこれで足りるはず。』
結城は軽トラックの荷台にシートを被せながら
『これで足りなかったら現場近くのホームセンターに買いに行くしかないよな。』
中瀬も結城と一緒に軽トラックの荷台にシートを被せながら
『近くのホームセンターって事は、館山市の湊交差点のカインズね。』
ガラ………
『パ~パ~、かすみおねーちゃん、行って来まーす。』
華蓮が満面の笑みで元気よく事務所の出入口のドアをあけ外に出てきて、結城は笑顔で
『気を付けて行ってくるんだぞ〜。』
華蓮は満面の笑みでパパの結城に肩手を真上にあげて元気よく
『は〜い、パパもね〜。』
中瀬は中腰になり華蓮の目線になり笑顔で
『華蓮ちゃん、今日も可愛いな。気を付けて行ってらっしゃい。』
華蓮は中瀬の言葉に照れながら笑顔で
『ありがとー。かすみおねーちゃんも凄く可愛いよ~。』
中瀬は笑顔のまま手で華蓮の頬っぺたを軽く触れながら
『華蓮ちゃん、ありがとう。』
華蓮のあとから敬子が事務所出入口から出てきて
『そろそろ保育園に送ってくるね。』
結城は敬子に手を振り
『危ないから慌てて行かない様にね。気をつけて行ってらっしゃい。それじゃ俺達も元気に行ってくるか〜。』
敬子は笑顔で結城と中瀬に手を振り返し
『そっちも気を付けて行ってらっしゃい。』
敬子は華蓮と一緒に保育園に向かった。
結城と中瀬は車に乗り込み、結城は軽トラックのエンジンを掛けてシートベルトを締め
『さぁ、行こうか。』
結城の掛け声に助手席に座ってる中瀬はシートベルトを締め
『らじゃー。』
結城は軽トラックを走らせた瞬間
プルルルプルルルプルルル………
結城のスマホが鳴った。
『ん?誰だ………?』
結城は一度軽トラックを止めて胸ポケットからスマホを取り出して
『もしもし結城です。』
《おはようございます。今泉です。》
『おはよう。今泉がこんな時間に電話だなんて珍しいじゃん。』
《朝からすみません。で、質問があります。》
『質問?いいよ、どうした?』
《単刀直入に………県議会議員の下田善孝ってご存じなんですか?》
『下田さんか、昨日鴨川市役所で下田さんの講演会に出席して帰り際に少しだけ会話したよ。下田さんがどうした?』
《実は県議会議員の下田善孝が今朝、亀山湖の川の岩場で遺体で発見されまして………》
『………えっっっ!?下田さんがっ!!』
《下田さんの持ち物から結城先輩の名刺があったので連絡を入れた次第です。》
『亀山湖だな!!今泉、今からそっちに行く!!』
《わ、わかりました………》
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