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下田が予約したホテルの部屋
結城は部屋に入り白い手袋をはめたあと、ポケットからもう一つ白い手袋を取り出して中瀬に手渡して
『中瀬さん、下田さんの所持品を確認するよ。この白い手袋をはめて。』
中瀬は結城から手渡された白い手袋をはめて結城の指示に
『りょーかい。』
結城は押し入れを開けると、昼間鴨川市役所で下田が手に持っていた鞄が置いてあった。
『下田さんの鞄だ。中を調べてみようか。』
結城は下田の鞄を開け中を調べると
『ん?スマホがあった………』
中瀬は結城の横から
『下田さんってスマホ置いて行った?』
結城は下田のスマホを見ながら
『忘れて行ったのか?』
中瀬は結城の疑問に
『そうじゃないと思う。私も一時期、森山の秘書をやってたけど………政治家の人達って秒単位で動いてて、色々な方面にお付き合いしてる人達がいるの。だから電話もたくさんくるわけ。』
結城は中瀬の言葉に
『要は今回は完全に自分の時間だから電話には出るつもりはないって意思表示ね。』
中瀬は結城の言葉に、鞄をあさりながら
『そう言う事ね。名刺入れと手帳、発見したよ。』
中瀬は名刺入れの中から名刺を取り出して
『自分の名刺と、名刺交換した相手の名刺があるよ。』
結城は中瀬が鞄の中から見つけた名刺入れを手に取り
『スマホと名刺入れと手帳を持っていこう。』
中瀬は鞄の中を探りながら
『歯ブラシとか剃刀はホテルのやつを使うつもりだったのかな?』
結城は中瀬の質問に
『強いて言うならタオルもホテルのを使うつもりだったのかもね。』
中瀬は下田が相手と交換した名刺を見て
『何だか色々と名前が通った人達ばかりだよ。』
結城は中瀬が並べた名刺を見ながら
『この名前は鴨川市の市長さんだ。この人は千葉県議会の下田さんの戦友と言われてる人。』
中瀬も自分が並べた名刺を見ながら
『この人は千葉県知事だ………この人は下田さんのライバルじゃない?』
結城は色々な人の名刺を確認しながら
『もし事件なら下田さんみたいな人は色々な人達に狙われてそうだし、下田さんに関わりありそうな色々な人達に話しを聞いてみたいね。』
中瀬は結城に疑問をぶつけた。
『もし事件だったら通り魔的って可能性もあるんだよね?』
結城は中瀬の疑問に
『通り魔的反抗もあるよね。俺らは事件の方で調べて、今泉達には事故の方面で調べてもらおうよ。』
中瀬は結城の言葉に
『それじゃもちろんホテルの人達にも話しを聞くんでしょ?』
結城は中瀬を見ながら
『もちろん話しを聞きたいね。ホテルの出入口の防犯カメラの映像や、ホテル以外の防犯カメラの映像があれば見てみたいね。暫くこの部屋は現場保存をさせてもらいたいな。』
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