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暫くすると
『お待たせしてすみません。私が当ホテルの支配人の笹川です。』
結城と中瀬の前にホテル亀山の支配人の笹川が挨拶をし、結城達も立ち上がって
『私は今回の事件を調べている結城と申します。』
笹川は結城と中瀬に
『まぁ、座ってお話ししましょう。』
結城と中瀬は笹川の言葉にイスに座ると笹川も座り
『早速なんですが県会議員の下田先生はやはり殺害されたんですか?』
結城は鞄から手帳とシャープペンを出しながら笹川の言葉に
『警察は事件と事故の両面で捜査を始めてるらしいのですが、私の中では事件だと推測しています。』
笹川は今回の件に信じられない表情で結城の推測に
『事件ですか………もし事件なら一体誰が………?』
結城は笹川の質問に
『下田さんは鴨川市を再開発推進派のトップと聞いています。そうなれば敵はたくさんいたと思われます。』
笹川は結城の推測に
『な、なるほど………で、私は何をお答えすれば………』
結城は笹川に
『下田先生は何時頃にチェックインを?』
笹川は結城の質問に
『その時間に対応していたフロントの者を呼びますね。』
笹川は立ち上がってフロントに早足で向かった。
結城は溜め息を吐き中瀬に
『ふぅ〜、何かわかればいいんだけどな。』
中瀬はにっこり笑って結城の言葉に
『大丈夫だよ。気になる事は一つ一つ調べていこうよ。そうそう、防犯カメラの映像も借りなきゃね。』
暫くして従業員らしき若い男性が笹川に連れられて結城達の前にやってきた。
笹川は従業員らしき若い男性を見ながら結城と中瀬に
『昨日、下田先生がチェックインした時間帯にフロントに居た従業員の小糸(こいと)です。小糸君、この方の質問に答えてくれるかな?』
小糸は笹川の言葉に頷き
『昨日の夕方四時頃に下田先生がチェックインしました。』
結城は手帳にメモをしながら
『下田さんに何か変わった様子とかは?』
小糸は昨日見た下田を思い出しながら
『いえ、変わった様子は何もなかったと思います。』
結城は手帳にメモをしながら
『下田さんが釣りに出掛けたのは何時頃ですか?』
小糸は思い出しながら
『確かチェックインをしてすぐだと思いました。』
結城は手帳にメモをしながら
『不審な人物とかの目撃は?』
小糸は結城の質問に
『いえ、それもなかったと思います。』
結城は笹川に
『お願いがあるんですが………』
笹川は結城の言葉に
『お願いですか?何でしょう?』
結城は笹川に
『防犯カメラの映像を借りたいのですが?』
笹川は結城のお願いに
『このホテルの防犯カメラはフロント、ホテルの出入口、タクシー乗降場、エレベーターホール、駐車場出入口、です。わかりました、ちょっとお待ち下さい。直ぐに用意します。』
笹川と小糸は立ち上がって早足でフロントに向かった。
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