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ブォォォ~………
暫くすると下田事務所の前に一台のセダン系の車が止まった。
そのセダン系の車から若い男性が降りると結城はその男性を見て
『あの人が秘書さんだ。』
結城と中瀬も車から降りて秘書の前に行き、二人は一礼し結城は秘書に
『おやすみ中のところすみません。下田先生の秘書ですよね?』
秘書も二人に一礼し
『はい、下田先生の秘書、上高地です。上高地 憂太です。先生に何があったんですか?まぁ、中に入って下さい。』
上高地 憂太(30)
(かみこうち ゆうた)
県議会議員の下田の秘書。
下田の秘書、上高地は事務所の鍵を開けて結城と中瀬を事務所の中に案内した。
………………
結城と中瀬は隣同士に座り、テーブルをはさんで対面に上高地が座った。
結城は鞄から手帳とシャープペンを取り出して
『下田先生が亀山湖畔周辺の川で遺体となって発見されました。』
上高地は信じられない表情で
『えっ………!?それ本当なんですか?』
結城は上高地の驚きの表情を見ながら頷き
『はい、本当です。』
上高地は驚きと信じられない表情で
『事件なんですか?事故なんですか?』
結城は上高地の質問に
『警察は今のところ事件と事故の両方で調べてます。で、私は事件の方面で調べる事になりまして。早速ですが最近先生におかしな事とか気になった事はありますか?』
上高地は間を置き思い出しながら
『おかしな事や気になった事ですか………?』
結城は上高地に
『どんな些細な事でも大丈夫ですよ。』
上高地は結城の言葉に
『下田先生は鴨川市の再開発の推進派のリーダー的存在でした。』
結城は上高地のに
『それは有名な話しですよね。』
上高地はうつむきながら
『色々と計画をたてて少しずつ実行して。だから市議会や県議会の反対派とか、時には市民とかにも恨まれる事も。脅迫状まがいな手紙も。』
結城は上高地の言葉をメモ帳にメモしながら
『反対派の人達にも話しを聞きたいな。それと下田先生のあの後の行動はわかりますか?』
上高地は鴨川市役所の大ホールでの講演の日の話しを
『講演の後、結城さん達とお話しして、そのあと直ぐに下田先生は私に今から三日間自由に過ごそうと言って私にも好きな事をする様に。三日後に事務所で会おうと言って市役所の出入口で別れました。』
結城は上高地の話しをメモりながら
『その後の行動は知らないと?』
上高地は結城の言葉に頷き
『はい、その後の先生の行動は不明です。』
結城は申し訳なさそうな表情で上高地に
『すみませんが、これは関係者みんなに聞く事なんですけど………』
上高地は結城の言葉に
『もしかして私のアリバイですか?』
結城はまた申し訳なさそうな表情で上高地の言葉に頷き
『すみません、これはみんなに聞く事なので。』
上高地は結城に
『市役所の出入口で別れたあとに事務所に行ってから自宅に戻りました。』
結城は上高地の言葉をメモをし
『自宅に戻ったんですね。それでは下田先生のご自宅を教えて頂けないでしょうか?』
上高地は結城に
『自宅ですか?自宅は鴨川市の………』
結城は上高地から下田の自宅住所を教わった。
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