鴨川市再開発計画

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中瀬は寝室で目ぼしい物を探していた。 寝室には何もないな~。って、壁に掛けてあるカレンダーの日にちに丸が付いてる。 中瀬は寝室にあるタンスの引き出しをひとつひとつ開けて ここにも目ぼしい物はないな~………この部屋にはないのかな~……… あれ?このパンフレットって例の小湊に出来た海が目の前のマンション型の老人ホームだ。やっぱり下田さんも絡んでるんだな。 あれ?これは千葉県議会の議会資料と鴨川市議会の議会資料だ……… これは千葉県議会の自身の派閥資料か……… 他には何かないのかな~……… そのあと中瀬は寝室を隅々調べたが何も出てこなかった。 よし、こんな時は家電の留守電を調べないと……… 中瀬は家の電話の留守電を確認しに行くと赤く点滅していた。 『おっ、赤く点滅してるじゃん………』 中瀬は家の電話の留守電ボタンを押すと 《ピー、下田先生、山形です。派閥の会合の件で………》 《ピー、下田先生、加茂山です。千葉県議会の件で………》 中瀬は留守電の声を聞いていると 県議会と市議会の議員の人達からの電話か………難しい内容ばかりだな……… 《ピー、下田先生、鴨川市の再開発を止めないとお前の命が………》 えっ、えっ………これって脅迫?しかも何かの機械で声を変えてるし……… 結城君に報告しなきゃ……… 中瀬は茶の間で目ぼしい物を探している結城を呼びに行った。 『結城君、結城君………』 中瀬は茶の間に居る結城を呼び結城は 『ん?血相変えて慌ててどうした?』 『留守電に入ってる声を聞いてよ………』 中瀬は留守電話の件を結城に伝えると結城は 『どれ?聞いてみようか?』 結城は家の電話が置いてある場所に行きボタンを押し 《ピー、下田先生、鴨川市の再開発を止めないとお前の命が………》 中瀬はその声に 『何かの機械まで使って下田さんを脅迫してきてるよ。』 結城は笑って 『これも昭和だな~。』 中瀬は結城の言葉に訳がわからず 『これも昭和だなってどう言う事………?』 結城は先程ごみ箱に新聞紙を切り取って一文字一文字貼り付けた脅迫状の話しをして、その脅迫状を中瀬に見せると中瀬は笑って 『昭和の刑事ドラマ好きの犯行?』 結城は笑いながら中瀬に 『つい何か懐かしくて笑っちまったよ。』 中瀬はまた笑って 『それ結城君の師匠の和久井さんが頭に浮かんだんじゃないの?』 結城は中瀬の言葉に笑ってしまい 『この捜査、和久井さんが似合いそうだよな。よし、台所にも何か昭和の脅迫状まがいな目ぼしい物はないかな。台所に行こう。』 中瀬は笑いながら結城の後ろから 『らじゃー。』 二人はそんな会話をしながら台所に入った。
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