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鴨川警察署捜査一課
結城と中瀬の対面に大門と植松が居た。
結城は大門と植松に脅迫状が何通も入った鑑識仕様のビニール袋を見せて
『実はさ訳あって亀山湖畔で起きた今回の件を調べるからさ、悪いけど協力してよ。鴨川市の他に大多喜町、勝浦市、御宿町、南房総市、館山市、色々な場所から出されてるよ。』
大門は結城から脅迫状が入った鑑識仕様のビニール袋を受け取り
『わかりました。今泉から今回の件は聞いてます。指紋とどこの新聞屋の新聞かも調べますね。この脅迫状、色々な場所から出されてるんですね。』
植松は結城に
『しかし結城先輩達が出席した講演会の講師だった下田先生がまさかこうなるなんて誰も思わないでしょうね。』
結城は植松の言葉に大門に渡した脅迫状が入った鑑識仕様のビニール袋を見て
『再開発の推進派トップだったからか、その証拠に何通もの脅迫状が送られてきてるからね。』
植松は結城の説明に
『これだけの脅迫状をもらっても警察には届けなかったんですかね?普通なら届けるんでしょうけど。』
結城は植松に
『秘書から話しを聞いたけど、脅迫状の事は何も言ってなかったぜ。』
大門は結城の言葉に
『誰にも言わず黙ってたって事ですよね。』
中瀬は大門に
『黙ってないで警察に相談すればまだ解決策があったかもしれないのに。』
『考え過ぎになるかもしれんが、黙っておきたかったか、はたまた黙っておかなきゃならない理由があったって事か?』
捜査一課部屋に警部補のベテラン安浦が入ってきてそのまま結城達の側にきた。結城は安浦に
『お疲れ様です。黙っておかなきゃならない理由ですか?』
安浦は結城に
『もしくはそんな手の脅しには慣れてるって事もあるしな。』
植松は安浦に
『うちはそんな手の脅しには慣れたくないでんな~。』
安浦はにっこり笑って
『警察官なるもの、少しは慣れなきゃいかんよ。郁ちゃんも少しは慣れなきゃな。』
植松は安浦の言葉に
『それだけ精神力を強くしろって事ですかいな。』
安浦は結城に
『しかし完全に事件と断定したわけじゃないんだろ?』
結城は安浦の質問に
『まだ事件事故の両面でってやつです。』
安浦はにっこり笑って結城に
『色々な方面から調べていけば答えが出るだろ。何かあれば俺も協力するからな。』
結城は安浦の言葉に
『ありがとうございます。凄く心強いです。』
植松は安浦と結城の会話に
『さすが元神奈川県警山手総合署の捜査一筋ベテラン安浦って言われてただけあって心強いわ………』
そのあと結城と中瀬は太海町にある事務所に戻った。
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