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その日の夜
居酒屋大将
結城は自分が狙われるだろうと予測し、暫くは自分一人で居酒屋大将に行く事にした。
結城はカウンター席の一番端に座り、日本酒を飲みながらおでんを食べていた。
野間口は生ビール大ジョッキを手に持ち結城の前に来て
『暫くは一人でここに来るんだな。』
結城は日本酒を一口飲み
『いつ狙われるかわからないからね。特に夜は危険だから。』
野間口は生ビール大ジョッキを飲みながら
『明日はどうするんだ?』
結城は野間口の質問に
『秋山議院が首を吊った現場に行って、何か目ぼしい物がないか探してみる予定。』
野間口は結城に
『見つかればいいけどな。』
結城は日本酒を飲み干して
『あとは元秘書の長田が見つかるまでは自分のところの仕事でもしようかと思ってる。日本酒おかわり。』
野間口は結城の話しに
『ヤツはどこにいるんだろうな。何か知ってるし見つかれば事件解決は早いよな。ちょっと待ってろ。』
野間口は手に持っていた生ビール大ジョッキに入っていた残りのビールを一気に飲み干し
『俺もおかわりするぞ。』
野間口はそう言って厨房に入って行った。
結城は野間口の飲みっぷりに溜め息を吐き、厨房に入って行った野間口に
『いつもながら豪快な飲みっぷりだな。』
厨房に居る野間口は日本酒をコップに注ぎながら
『このぐらい豪快に飲まんと飲んだ気にならん。』
結城は野間口の言葉に
『生ビール飲み放題って言葉に弱そうだな。』
野間口は日本酒と生ビール大ジョッキを手に持ち、日本酒を結城の前に置いて
『生ビール飲み放題は俺に対する挑戦状と捉えている。』
結城は笑ってしまい
『お前、絶対に出入り禁止になるからな。夫婦で行ったら確実だろ。』
野間口は結城の言葉に笑って
『その時は夫婦で変装していく。』
結城は笑いながら
『居酒屋大将では生ビール飲み放題はやらないのか?』
野間口は結城の質問に
『それやって大酒飲みが来店したら赤字になるだろ。』
結城は野間口の言葉に笑って
『そこは堅実なんだな。』
野間口は笑って
『赤字になる事はしたくないね。』
結城は野間口の言葉に
『その前に野間口夫婦で生ビール大ジョッキを毎日あれだけ飲んでたら赤字になってる気がする………』
野間口は笑って
『その辺りはちゃんと他で採算合わせてるから大丈夫。』
結城は野間口に
『その採算が間違ってなきゃいいけどな………』
野間口はまた笑って
『多分、大丈夫だろ。』
そこに美和子が生ビール大ジョッキを持ってきてにっこり笑って
『大丈夫よ、私も計算してるんだから。』
結城は美和子の言葉に
『この二人って鴨川潮騒高校時代から数学得意って聞いた事ないけどな。多分間違ってるぞ………』
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