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結城と中瀬は秋山が首を吊っていた現場に到着した。
中瀬は結城に
『靴を揃えて、靴の中に遺書があったんでしょ?しかもパソコン書きでさ。』
結城は中瀬の質問に
『そうらしいよ。俺と野間口が行った時は遺体は横に寝かせてシートが被せてあった。』
中瀬は周りを眺め目ぼしい物を探しながら
『こんなところ絶対に人なんか通らない場所だよね。』
結城も周りを眺めながら中瀬の言葉に
『人より獣のほうが出会う確率が高い場所だよ。』
目ぼしい物を探している中瀬は一度探すのを止めて結城に
『でもさ~、なぜこの場所だったんだろうね?』
結城は中瀬の疑問に
『確かに。何でこの場所だったんだろうね。色々と疑問が残るよな。』
中瀬は目の前の砂利道まで歩き
『ここから山の方の民家まで行けるのね。』
結城は中瀬に
『何も見つからないな。今日は一度帰ろうよ。』
中瀬は結城の指示に
『うん、わかった。りょーかい。』
結城と中瀬は駐車場に戻り軽トラックに乗り込んだ。
………………
運転席に座って運転している結城は
『警察が探しても元秘書の長田が見つからないって、県外かはたまた海外かな。』
助手席に座った中瀬は
『県外でも海外でも警察が見つけてくれるよ。』
結城は中瀬に
『しかし疑問が出てきたよな。』
中瀬はペットボトルのお茶を飲みながら
『秋山議院はなぜあの場所を選んだのか?どうやってあの場所まで来たのか?秘書の長田はどこに居るのか?』
結城はペットボトルのお茶を一口飲み
『調べていけばわかるだろうけど、秘書の長田は何か知ってるよ。』
中瀬は飲んでいるペットボトルのお茶を手に持ちながら
『元秘書の長田さんを見つければ事件解決なんだもんね。結城君それと、お願いがあるんだけど。』
結城は赤信号で車を止め
『ん?どうした?』
中瀬はペットボトルのお茶を飲みながら結城を見て
『国道沿いのベイシアにあるマツモトキヨシに寄ってほしいんだけど。』
『おう、わかった。で、生理用品でも買うのか?』
結城は笑いながら中瀬に言うと飲んでたお茶を吐き出し
『ぶっ、結城君、馬鹿じゃないの?普通そんな事を乙女に聞く人居ないからね~。まったくデリカシーの欠片もないんだから。』
結城は笑いながら中瀬に
『ごめんごめん。そんなに怒るとは思わなかった。』
中瀬はペットボトルのお茶を飲み干し
『シャンプーの詰め替え用を買いに行くの。』
結城は中瀬に
『それじゃ俺はサポーターと湿布でも買うか。シャンプーの詰め替えなら一緒に払うよ。』
中瀬は笑顔で
『社長、あざーす。』
結城は笑って
『社長って言うな、社長って。普段通りに呼んでくれる?』
中瀬は結城の言葉に笑って
『結城君は社長は社長でしょ。やっぱりさ、社長って呼ぶなって社長は珍しいよ。』
結城は中瀬の言葉に
『社長って言われると目上の人間になっちゃうから、敬子と中瀬さんとは同等でいたいんだ。』
そんな会話をしながら結城の運転で浜行川から太海に向かっていた。
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