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穴山は笑って結城と中瀬に
『見てからのお楽しみで。独り言ですが凄く格好つけてますよ。自転車に乗って笑顔で手を握って親指を立ててカメラ目線で写した写真です。』
ボカ………
『痛て〜っ!!』
小山田は穴山の頭を一発叩き
『こらこらこら、お前ね全部喋ってるじゃん。恥ずかしいからそれ以上言うな。マジ、恥ずかしいだろ。叩くぞ。』
穴山は頭を押さえて小山田に
『痛って〜、叩くぞってもう叩いてるじゃん、冗談なのに〜………』
小山田はポケットからスマホを取り出して時間を確認し結城と中瀬に一礼し
『自分、そろそろ行きますね。今日はありがとうございました。』
結城と中瀬は小山田に一礼し、結城は小山田に
『こちらこそありがとうございました。気をつけて行って下さい。』
『おいっっっ!!下田~っっっ!!再開発の計画を中止しろ~っっっ!!』
その瞬間、ロビーに男の怒鳴り声がこだました。結城と中瀬はその怒鳴り声に驚きの表情で
『な、何だ何だ?ど、どうしたんだ?』
『えっ?何?この怒鳴り声?何があったの?』
その男は下田を睨みながら
『この鴨川市の再開発にどれだけの市民が苦しめられてるのかっっっ!!どれだけの市民が泣いているのかっっっ!!下田~っっっ!!お前はわかるかっっっ!!答えろ、下田〜っっっ!!』
小山田は小声で結城と中瀬に
『鴨川市議会、鴨川市再開発反対派重鎮の秋山利和(52)議員です。その後ろに居るのが秘書の長田(30)さんです。』
下田はその男、秋山に
『また君か。もう決まってしまった事だ。諦めなさい。』
秋山は下田を睨みながら
『俺は再開発の全てを反対と言ってるわけじゃないっっっ!!市民を犠牲にしない計画に変更しろ~っっっ!!』
下田は秋山の言葉に
『これ以上私に付きまとうなら警察を呼ぶぞ!!』
下田は秋山にそう言うと自分の秘書らしき男と、来賓達とロビーを出て行った。
中瀬は小山田に
『やっぱり居るんですね。再開発を推進する裏には反対派って人達が………』
小山田は中瀬の言葉に
『再開発をすると言う事は、市民の土地を買い取ると言う事もします。しかし、この再開発は鴨川市の財政が潤ってない今、安い金額で市民の財産を買い上げてるのが現状です。反対派が出てくるのは当たり前です。すみません、自分はこれで。』
下田は結城達に会釈して早足でその場を立ち去った。
結城はスマホの時計を見て中瀬に
『そろそろ俺達も帰ろうか。今時間なら一件ぐらい仕事に行けるだろ。』
中瀬は結城の言葉に
『ラジャー。ちょうど良い仕事の依頼書があれば良いけどね。その前に鴨川書店に寄って月刊ロードバイク見ていかない?』
結城は中瀬の提案に
『おっ、いいね。鴨川書店に寄っていこうか。』
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