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私に接吻された者は死ぬ。
父と母は戸惑いとと底知れぬ絶望と悲しみに包まれ泣き崩れた。
待ち望んだ我が子が意図せず殺人鬼になってしまうかもしれないのだから。
隠し通すことも出来ず、親戚、周囲の住民に報告した。すると、たちまち町中に話が回り町の住民は全員、私の呪いを知っている。
なので、物心がついた時から避けられ続けた人生だった。
故意じゃなくても唇に触れてしまったら死んでしまうんだから、誰も近づきたいものなどいないだろう・・・・。
幼少期の頃は自分の呪いのことが分かっておらず、両親に愛され、ぎゅーっと抱きしめてもらってる他の子が羨ましくて自分から父と母に抱きついたことがある。
両親は慌てて私から離れようと私を突き飛ばした。親に突き飛ばされた衝撃は子どもながらに、相当なものだった。
お父さんとお母さんは、私の唇が触れて死ぬことを恐れたのだろう。
ただ、ギュっと抱きしめて欲しかった。
お父さんとお母さんに甘えたかっただけなのに・・・・。
今思えば両親の行動は仕方ないことだと分かるが、その当時は拒絶されたことが悲しくて辛かった。
自分は愛されてないんだと酷く落ち込んだ
今でもその感情を覚えている。
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