01 鬼の子

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⋆⸜꙳⸝⋆ 私は町内にある鬼ヶ丘高校に通っていた。 そう。ここにも鬼がついたりしている。 令和の現在は学校の名前に鬼が付いてるからといって特別変わったことはなく、ごく普通の普通科高等学校だ。 学校指定の紺色のブレザーと、チェック柄のスカートは他校から羨ましがられるほど人気があった。 女子生徒はスカートと同じチェック柄のリボン、男子生徒はチェック柄のネクタイを身に付けている。 お揃いの制服を着ている友達と勉強したり、部活動をしたり。普通の学園生活が送ってみたい。 ———なんて、何回思ったのかは数え切れない。 でも、そんなものは夢の話だった。 人を殺してしまうかもしれない鬼の子(わたし)が夢を見たって無駄なのだ。 鬼の子の言い伝えをこの町の人はみんな知っているので、学校生活も避けられるのは想定内だった。 そんな私にも唯一味方がいた。
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