02 転校生

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「渡辺君!そいつ、鬼の子だから触らない方がいいって!!」 クラスの男子が勢いよく言い放った。 思いのほか声が大きくクラス中に響き渡り、みんなが注目した。注目されて居心地が悪くなったのか、そう言った張本人はバツが悪そうな顔をしている。 そんな気まずそうな顔しなくても、今更気にもしないのに———。 「鬼の子・・・・・?」 (つな)君は怪訝そうな顔で首を傾げていた。 ———あぁ。彼もか。 心の中のどこかでガッカリしている自分がいた。 鬼の子だと知らなかったから、私に話しかけてきただけなのに、何を期待していたんだろう・・・。 鬼の子だと分かったら、私を避けるのは当然だ。この転校生も私に近づくことは、もうないだろう。 考えてみたら学校で光希(こうき)以外の人に、目を合わせて話しかけられたのなんて、初めてだった。 ———今日が最初で最後だったのかも知れない。
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