02 転校生

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普通に話しかけてもらえる。そんな普通のことが、こんなに嬉しいことだなんて知らなかった。 右腕には綱君に触れられた感触がまだ残っていた。人に初めて触れられたところは温かくて、力強く掴まれたのに不思議と嫌ではなかった。 転校生の(つな)君は中性的でとびきり綺麗な顔をして、その顔に似合わない言葉遣いは、決して綺麗とは言えず荒々しい。 言葉遣いは悪いけど、どこか優しさを感じる話し方。そんな彼の笑顔が私の脳裏にこびりついて離れなかった。
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