03 鬼の子に触れる手

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03 鬼の子に触れる手

⋆⸜꙳⸝⋆ 校庭からは、サッカーボールが蹴られる音、野球のバッドが球を打つ音。男女の笑い声。 さまざまな音が、入り乱れていた。 教室の窓からは、夕焼けが見え始め空の様子が変わろうとしていた。 私は当然、部活などには入っていない。授業が終わると帰るだけだった。 この日は光希(こうき)と一緒に帰る約束をしていたので、誰もいない教室に残り机に肩肘をついて窓の外を眺めていた。 私の席からは校庭が見えるので、額に汗をかきながら部活に励んでいる生徒たちが目に映る。 「楽しそう・・・・・、青春してていいな。」心の声が思わず漏れていた。 教室のドアが開く音がした。窓の外を見ていた視線を入り口に向けると、そこにいたのは(つな)君だった。 誰もいない教室で、当然のように私の前の席に座るので、私の方が身構えて変に緊張してしまう。 チラリと(つな)君を見ると横顔も綺麗で見惚れてしまいそうになった。
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