03 鬼の子に触れる手

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「"そんなこと"・・・・なんて初めて言われた。 みんなに嫌われて、避けられるのが普通だったから。だって、鬼の子だよ?」 「鬼の子って言われても・・・・・。 見た目は全く恐ろしくねぇしな。俺には、ただの女子にしか見えないけどな!」 ———ただの女子。 綱君が放つ言葉の一つ一つが私には響いて、思わず笑みを浮かべてしまうほど嬉しかった。 鬼の子に産まれ、後ろ指をさされる人生で、普通の子になりたかった私には泣きたくなるくらい嬉しい言葉だった。
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