03 鬼の子に触れる手

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「鬼の子のことをって言ってくれてありがとう。そんな風に言ってくれたのは、(つな)君だけだよ」 「もっと鬼っぽくツノとか生えてたりしたら、『おっ!鬼だ!』ってなるけどな」 少し悩んでるような顔をして綱君は言った。 ———数秒の沈黙が続く。 私の頭には小さな小さな角が生えている。ふわふわの髪の毛のおかげで、小さいツノが隠れて見えないだけだった。 このことを普通に伝えればいいのに、言葉が出てこなかった。 今のように普通の子と同じように接してもらいたい———。ツノが生えていることを知ったら、もう話してもらえないかもしれない。 そんな考えが能裏を()ぎって言えずに動けなかった。
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