03 鬼の子に触れる手

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「どうした?」 心配そうな顔をしてひょこっと覗き込んできた綱君と目が合った。 近くで見ても怖いくらい綺麗な顔をしていて、直視出来ない。思わず目を伏せた。 (心配してくれているのに目を伏せて、感じ悪く思われたかな・・・・・) 心配になり、チラリと綱君に視線を戻した。 目に飛び込んできたのは、切なそうに心配してくれている綱君の表情だった。 そんな表情を見てしまったら、嘘はつきたくない。 ———意を決して口を開いた。 「言ってなかったけど、鬼の子の女児は呪われてて、私の唇に触れたら・・・・・死ぬの」 震えてしまう声を必死に絞り出した。反応が怖くてギュっと目を瞑る。 目を閉じていて視界が真っ暗の中、 ———数秒間の沈黙が続く。 やっぱり死ぬなんて聞いたら、恐ろしくて私となんて喋りたくないよね・・・・・。 綱君は私の事が嫌になり、離れて行ったんだと思った。目を開け掛けた時、ガタッと椅子を引く音が耳に届いた。
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