03 鬼の子に触れる手

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「・・・・・何もねぇよ?」 ほら。と両手の手のひらを広げて見せてくれている。綱君の手に何も異常が出なくて心の底からホッとして思わず、はあ——。とため息が出た。 鬼の子に"接吻(キス)されたものは死す" 鬼王(きおう)家の蔵に眠っていた古い書物に記されてあった。 それは唇と唇が触れた時のみとされるのか、唇以外でも触れてしまったら、死ぬことになるのか・・・・・。 令和の現在、真相を知る者は生きていない。 分からないままだった。 私が触れたら、鬼の子の呪いで殺してしまうのではないかと、誰かに触れることも怖くて出来なかった。
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