03 鬼の子に触れる手

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それ故に、お父さんとお母さんでさえ、幼い頃から私の手を握ったことはなかった・・・・・。 子供だったら当たり前に親と手を繋ぐ。その日常を経験したことがなかった。———誰かと手を繋いだことなど、人生で一度もなかったのだ。 それなのに、こんなに簡単に・・・。 普通の人の手を握るように、意図も簡単に鬼の子の手を握るなんて———。 気付くと私の目からは大粒の涙が溢れ出ていた。 目の前の景色が涙で滲んでいく。自分でも感情のコントロールが出来ない。決壊したダムが溢れ出るように涙が止まることはなかった。 涙で滲んだ景色に映る(つな)君の顔は、怖いくらいに綺麗だった。
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