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04 涙の理由
私と綱君が笑い合っていると、教室のドアを乱暴に開く音が耳に届いた。
「茜!!!
どうした?!大丈夫か?」
焦った表情で駆け寄ってきたのは光希だった。
私が涙を見せることは今までなかったので、余程驚いたのだろう。普段見たことのない険しい表情をしていた。
「お前が泣かせたのか?」
荒げた声を綱君に向かって投げかけた。
言葉を荒げる光希の姿は初めて見たので私も驚いて固まっていた。
「俺のせい・・・・・・・・・かもな」
ポツリと囁くように言った。
何故彼は誤解を招くようなことを言うのだろう。私の頭の中にたくさんの疑問符が浮かび上がってくる。
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