04 涙の理由

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「茜!こいつに何されたんだ?」 いつもの優しい話し方ではなく、高圧的な口調で言葉を投げ捨てる光希。 「いや、違うの。まず話を聞いて?ね?」 私が必死に(なだ)めるとようやく落ち着いてきたのか、いつもの光希(こうき)に戻っていた。 「取り乱してごめん・・・・・。(あかね)が泣いてる姿なんて初めて見たから焦ったっぽい」 気まずそうな表情をして目線を逸らした。 いつも冷静で穏やかな光希が、人を問い詰める姿は初めて見た。よっぽど焦っていたのだろう。 私が泣いている事に光希(こうき)が何故ここまで驚いているのかというと、 ———子供の頃の記憶に(さかのぼ)る。
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