188人が本棚に入れています
本棚に追加
/235ページ
「茜!こいつに何されたんだ?」
いつもの優しい話し方ではなく、高圧的な口調で言葉を投げ捨てる光希。
「いや、違うの。まず話を聞いて?ね?」
私が必死に宥めるとようやく落ち着いてきたのか、いつもの光希に戻っていた。
「取り乱してごめん・・・・・。茜が泣いてる姿なんて初めて見たから焦ったっぽい」
気まずそうな表情をして目線を逸らした。
いつも冷静で穏やかな光希が、人を問い詰める姿は初めて見た。よっぽど焦っていたのだろう。
私が泣いている事に光希が何故ここまで驚いているのかというと、
———子供の頃の記憶に遡る。
最初のコメントを投稿しよう!