04 涙の理由

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「光希!何言ってんの?許嫁(いいなずけ)なわけないでしょ? ふざけるのも良い加減にして!」 私がそう言うと、返事はせずにふいっと顔を逸らした。 「へぇ。 鬼の子は誰も貰ってくれないとか言ってるけど、他に鬼の子を貰ってくれる奴が現れたらどうすんの?」 (つな)君は意地悪い笑顔でニヤリと微笑みながら言った。 シンと静まり返り気まずい空気が流れ出す。 ———数十秒無言が続いた。 「えっと・・・・・あの———。  3人で一緒に帰らない?」 気まずい空気感に耐えられずに口を開いた。 言った後に「何言ってんだ?」と自分で思ったけど、その時には言ってしまった手前、後に引けなかった。
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