04 涙の理由

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光希(こうき)の言葉になんて返していいのか分からず、黙り込んでいると、 「頑張って王子様キャラを作ってたってわけだ?」 「可笑(おか)しかったら、好きなだけ笑えよ」 「笑うわけないだろ。理由聞いちまったら、ただの良い奴じゃん」 「———って、さっきまで思いっきり笑ってただろうが!」 「あっ?バレてた?」 光希と綱君がグチグチと言い合っていた。 言い合いしながらも、笑い合っていて、さっきまで歪み合っていた2人は、いつの間にか仲良くなった様子だ。 友達ってこういう風に出来ていくんだ・・・・・。 へえ。と感心しながら2人を眺める。 (友達か。羨ましいなあ・・・・・) 友達がいない私は2人が羨ましくて眺めていた。 見入ってしまっていて、足が止まっていること気づかなかった。 「ほら!何やってんだよ。  ボーッとしてないで行くぞ?」 「茜!早くおいで!」 立ち止まっていた私に向かって投げかけられた言葉は、私の心に響いていく。 夕焼け空に照らされた2人から手招きをされている。嬉しくなり小走りで駆け寄った。 綺麗な夕焼け空に照らされて「なんか、ドラマのワンシーンみたい」そんな考えが能裏を駆け巡った。 そのドラマのワンシーンに自分も参加出来ることが嬉しくて、笑みが溢れ出した。
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