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———鬼の子の呪いを解く方法
考えた事がないわけでは無かった。
鬼王家に産まれてしまったから、鬼の子の呪いは背負っていかないといけないとばかり考えていた。
鬼の子の呪いを解く方法があるかもしれないという可能性は、考えないようにしていた。期待や希望を持つほど、辛くなるから・・・。
「・・・・・でも、お父さんとお母さんが調べてくれたよ?調べてもなかったって」
「それって、茜が生まれた頃の話だろ?
もう一回調べてみないか?俺達で」
「———って、これ言い出したのは綱なんだけどな!」
そう言って綱君に視線を向けると、「光希、馬鹿か。それ言うなよ!」と小声で肩を小突かれていた。
そんな2人のやり取りを見て、クスっと笑った。
呼び捨てで呼び合うようになり、さらに仲が深まっていたことも微笑ましかった。
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