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「綱君、ありがとう。でも・・・・・・」
私が言葉に詰まったのには理由があった。
「ああ。それは俺も分かってる」
光希の顔を見ると深く頷いていた。彼もその理由を知っていた。
「鬼王家の歴史や呪いのことが書いてある書物は、鬼王家の蔵にあるの。
でも・・・・・、数ヶ月前から蔵は立ち入り禁止されてる」
「昔は鍵は掛かってたけど、鬼王家の者なら誰でも入れたんだけどな」
我が家は旧家なので敷地内に蔵がある。
そこには代々受け継がれてきた鬼王家の歴史が記さられた書物が沢山保管されている。
子供の頃は、秘密基地代わりに蔵に入って、光希と遊んだりもしていた。
昔は蔵の鍵は鬼王家にあって、子供の私達でも鍵のある場所を知っていた。
だけど、数ヶ月前に蔵は立ち入り禁止と言われ、鍵は行方が分からなくなったのだ。
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