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【著:新川キナ様】最後の言葉【短編戦記】
戦争で死んだ者に救いはあるのか、と考えさせられる作品でした。
生々しく繊細な描写がリアリティを生み出していますが、同時に過激描写が過ぎず、子供でも読める作品かと。
しかし、これもまた社会風刺です。
英雄として生き延びたかったのに、カリスマのある若者のために自己犠牲。
英雄……なんて甘美な響きでしょう。
しかし、半端な気持ちで憧れていると、こうなってしまうという最後の教訓ですね。
英雄の地位よりも、ただ孤独をうめる友が欲しかっただけなのでしょうか。
しかし、青二才の若者には、その祈りや戒めが届かないかもしれないです。
折角、城を手に入れたのに、爺さんの仇だと、戦禍を広めてしまうのでは、と。
だからこそ、綺麗に終わらせてあげたんですね、物語を……まあ、私のひねくれた解釈にすぎないのですが。
戦いはまだまだ終わりそうにはないが、無意味な負の連鎖はこれで最後というタイトル回収なのでしょうか?
私にはわかりません、真相は藪の中ですね。
藪をつついて蛇を出すのは御免こうむるタイプですので。
皆さんもぜひ、本編を読み自主独行、否、考察してみてはいかがでしょうか。
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