消えた少年達

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消えた少年達

 翌朝、ひとりの兵が伝達のために食堂へ行く。が、そこに少年兵はひとりもいない。 「なんだ、皆してたるんでるな」  寝ていると思った兵士は、彼らの寝室になっている教室に入るが、そこには誰もいない。 「脱走か?」  他の兵士達にも声をかけ、部屋を調べたが、それにしては残っている荷物が多すぎる。母親からもらったお守りなどを残して消える子供など、そうはいない。  少年達の家に行くが、家に帰った少年は、ひとりもいなかった。  この件は、少年兵大量失踪事件と呼ばれ、戦争が激化するにつれ、人々に忘れ去られるのだった。
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