青春短歌劇場

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 賑わってるのは今だけだろうな。  このうるさいのともお別れ、かあ。  東京行ったらもっとうるさいのかな。 「新生活  どうなるんだろう  花影と  不安を映す  宵の月かな」  なーんて。  桜の木の下で告白したのは満開で綺麗だったから。  その日を選んだのは好きな彼が私だけのものにならない人と分かっていたから。  考えてみたら不吉でシビアな花なのかもしれない。    桜は嫌い。  タイミング悪いから。  別れの頃に花開き、出会いの頃に散るなんて。  桜の木の下で告げた恋は、桜のように儚く散るだろう。  近くにいても遠く、遠く離れて会えないうちに。  明日から終わりに向かう恋。  好き、嫌い。好き、嫌い。嫌い。嫌い。嫌い。  目の中で波が揺れた。  チャポンチャポン。  俯いたら溢れてしまいそう。  間欠泉みたいに噴き出して、頬の上を温々(ぬくぬく)しいまま流れて心臓に沁みる。  もったいないから上を向いて溜めておこう。   
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