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「......言わない」
「年上の先輩の言うことを聞かない子にはお仕置きですよ!」
「!? 何して」
僕は気がつくと椅子の後ろに立った里依さんに頭をなでられていて、完全に子供扱いされている。普段は僕の方が背が高いため、僕の頭に里依さんの手が届くことはないのに。
僕は反射的に里依さんの手を掴んで頭から離す。
「やめて。......僕は二個下だけどそこまで子供じゃない」
「子供です! 悩んでいるのに正直に話せない人は子供に決まってます!」
「悩んでない」
「悩んでます!」
「悩んでない」
僕達の押し問答は暫く続いたが、気が付けば僕が里依さんの手をずっと握っている妙な状態になっていたので、僕は里依さんの手を離した。
少し体温の高めの小さな手を可愛いと思っていることは絶対に秘密だし、僕が少しだけ緊張してしまったのは気のせいだ。
「むー」
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