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エピローグ
僕は人を明確に2つのジャンルに分けていた、はずだった。”他人”か”そうじゃない”か。
けれど、他人だと思っていた人に思わず助けられたり、他人ではないと思っているはずの人なのに、相談も出来なかったりすることを知った。
「案外、ままならない」
自分の心を動かされるものを明確に区分出来たら良いのに、人生はそうはならない。
「緒方さん、何か言いました?」
「いや、別に」
流水でキャベツを洗いながら思わず独り言を呟いてしまった僕を、まな板の側にいる里依さんが怪訝そうに見る。
今日は里依さんや真や神倉と焼肉が出来る公園に来ていた。晴天の中、程よく緑に囲まれた空間で焼く焼肉は食べる前から優勝が確約されている。
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