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「私も参ります。ユリア様だけでは…」
「旦那様からは、ユリア様だけをお連れするとご了承いただいています。ウィルは休んでください」
「ポイヤック、あなたの言い方じゃ、ラースがユリアを連れて出るってこと?」
「左様でございます、ライラ様。では、失礼致します」
「ユリア様の執事は私です」
「ウィルの言う執事は主人にへばりついて動くのが仕事なのか?」
私にぐっと近づいたウィルから私を守るかのように、ラースは私の肩を自分に引き寄せる。
「執事には主人のニーズや要求に応じて仕事を適切に調整することが求められている。僕はそう理解しているんだが、違うのかな?」
「…いえ、それが基本でございます」
「今、ユリアが執事の同行を求めていない。それに旦那様の許可も、僕の意向も無視した言葉は出過ぎた行為だね。慎んでくれるようにお願いするよ、ウィル」
立場が違うのは私にも分かる。私も堂々としていればいいのよね。
「いってきます、アニーラ、ライラ、ウィル」
「…いってらっしゃいませ、ユリア様」
それを聞きながらラースと歩き始め
「ラース…どこへ行くの?」
「僕の屋敷へ行こう。それが一番ゆっくりと話が出来るからね。ポイヤックの他の執事にもユリアが会いたければ会えるよ」
行き先を教えてもらった。
‘主人のニーズや要求に応じて仕事を適切に調整することが大切’これが基本なのよね?やっぱり質問が山積みだわ。
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