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「ラース様は…はぁ…そのお顔で果樹園を歩かれては使用人がざわつきますね」
そのお顔?相変わらずのイケメンだけど?
「これほど分かりやすく鼻の下を伸ばす方を見たことはございません」
ポイヤックとドナが呆れた声を出すが、ラースは全く取り合う気がないようだ。私も何も言わないで良かった…相変わらずのイケメンなんて言ったら二人に何て言われるか分からない。
「ユリア様のにやにやが増量中なのはどうしてですか?」
「…」
「僕が隣にいるからだよね。さっきからポイヤックとドナが口煩いね、ユリア?担当者を交代させようか?」
「どっちでもいいよ」
「「ユリア様、拒否する場面ですっ」」
「…ラース…いつになったら果樹園に行けるのかな?」
「いつでも」
「行く」
「歩ける?」
「大丈夫…ラースは?」
「僕も大丈夫だよ、ユリア」
私よりはるかに運動量が多かったと思ったけれど、ラースは何ともないらしい。素晴らしい体力の持ち主なんだ…カッコいい。
「どうしてあの二人は笑っているの?クスクスと失礼だよね?」
「本当に失礼な二人だね、ユリア。交代を考えておこう」
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