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たぶん200揉みくらいしたところで、バタバタと複数の足音がした。はぁ…もしもさっきのイケメンが揉んでくれたら、もう400揉みの効果なのに…と思いながら、座ったまま布団に手を入れた。
「ユリア」
「ユリア様」
「お嬢様っ」
本来なら、それぞれの呼び方によって私との関係性を推測しようとするのだが、記憶がないことにしたので頑張らないことにする。7人にぐるりとベッドを取り囲まれ、いろいろと聞かれたが私は
「ユリアという名しかわからない…ごめんなさい」
と応えた。
「「「「ごめんなさいっ?」」」」
皆は私の記憶がないということよりも驚いたような声を出す。不思議に思っていると、皆の言葉からユリア嬢は自分の非を認めるような発言をしたことがないと分かった。それって、性格の悪いお嬢様だったってこと?
「ユリアの命が助かったことだけで私は満足だ。父の私のことを忘れていようが、性格が変わっていようが可愛い娘だ。サーラ、ウィル、一からで大変だろうが、これまで通りユリアの世話を頼む」
「「かしこまりました」」
お父さんは判明。目覚めた時にいた女性がサーラ、イケメンがウィルで二人は私のお世話係と判明。お医者さんも分かった。あと3人の女性は何も言わずに出て行ったから不明。でも徐々にでいいよ…頭がパンクしちゃう。
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