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「この国の歴史では古くからずっとそうです」
「そう。サーラ…おかわり欲しい」
「お腹はきちんと動いておりますか?」
「大丈夫。いい?」
サーラは私にスープのおかわりを入れてから話を続けた。
私は身長とバストが理想的…この国で言う理想的なサイズに成長して行き、それが思わぬ方向で母とアニーラ姉妹の機嫌を損ねた。アニーラとライラのいとこ、ラースがユリア嬢のことを好きになったのだという。
ラースはユリア嬢の5歳年上で、この国で3本の指に入る領土を持つ大地主のご子息。アニーラとライラは小さな頃からラースのことが好きで、いとこではなく結婚相手として彼を見ていた。
母親と姉妹がユリア嬢をよく思わなくなると、それを隠さないで態度に表す。するとユリア嬢もこの部屋を出ると皆が敵とばかりにツンツンとして過ごしていた。それが5年続き、19歳が終わろうとする今、ユリア嬢が病に倒れた。
「先ほど3人は何もおっしゃらずに出て行かれましたが…」
と、口ごもったサーラに
「もう死ぬと思っていた私が生き返って残念ってところね?」
確かめてみる。
「申し上げづらいですが…はい。でも、ユリア様。私とウィルは心から嬉しく思っております。食事にマッサージ、睡眠…ユリア様の完全な理想的体型は全力でお守りして、ユリア様がお慕いされる方に想いを寄せていただけるように尽力致します」
「私には…好きな人がいなかった?」
「はっきりとはまだどなたとも。これから是非、素敵な殿方と…」
コンコンコン…
「ユリア…僕だよ、ラース」
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